営業メールが日々大量に届く中で、「これはちょっと読んでみようかな」と思わせるメールには、いくつかの共通点があります。まず件名についてですが、「〇〇株式会社の△△です」のような定型的なものよりも、1対1のやりとりを思わせる自然な書き方の方が、相手にとって「自分宛かもしれない」と感じられ、開封されやすくなります。
本文に入っても、いきなりサービスの紹介を始めるのではなく、「以前お電話でご案内させていただいた件で失礼いたします」など、相手に安心感を与える導入が有効です。メールを受け取った相手が「なぜ自分に来たのか」と疑問を持たないよう、連絡の背景や経緯を簡潔に伝えることで、警戒心を和らげることができます。
次に重要なのは、読み手にとって読む意味があること。商品やサービスの紹介だけでなく、業界トレンドや他社事例を交えた有益な情報の提供や、潜在的な課題に対する問題提起・解決策の提示ができていれば、営業色が強すぎず、相手の興味を引きやすくなります。
また、送信のタイミングも成果を分けるポイントです。業務時間内であっても、会議中や忙しい時間帯では埋もれてしまう可能性があります。通勤時間帯や昼休憩明けなど、いわば手が空いているかもしれない隙間時間を狙うことで、開封率が上がる傾向があります。もちろん、業務日や営業時間内に送ることが最低限のマナーです。
そして最後に、読んだ相手が「で、どうすればいいの?」とならないよう、「ご興味をお持ちいただけましたら、本メールにご返信ください」「詳細はこちらからご覧いただけます」といった、次のアクションを明示する一文を必ず添えましょう。読み手に迷わせず、スムーズに動いてもらうための導線づくりは、営業メールの成果を大きく左右します。
大量のメールに埋もれがちな今であっても、丁寧に設計された営業メールは、相手の心にちゃんと届く可能性を秘めています。