今はみんな気が張ってるし、協力していかないといけないという機運があります。とにかく、感染を最小限に抑えることを考えながら、自分の仕事をこなすことに一生懸命になっています。しかしながら、規模の大小に関係なく、経営者と言われる方は、感染拡大が一段落した後、社会がどう変わるのか、その中で事業をどうしていくのかという避けて通れないもっと大きな問題に直面しています。
コロナ流行は、店舗や設備が破壊されたわけではない半面、地域限定でなく全国、全世界的に影響があるという点で地震や、台風とは別物の災害だと言えます。政策として、破壊された社会インフラの建設投資で景気を浮揚させていくという「よくある」手法も今回は通用しません。不透明さは、今までの危機に比べ物になりません。社会のあり方や、価値観すら変わってしまうに違いありません。
そうした中、コロナ流行後の事業の方向として2つ考えられます。一つは、コロナ感染の期間に休業を余儀なくされたり、売上を落としながら、その後も同様のことを継続することで、営業利益が稼いで行けそうな事業。もちろん、財務体質が弱い者は淘汰されますが、同じ商品、サービスを同じ方法で、時代が変わっても必要とされ、大きな変化がない事業です。その場合、資産の切り崩しや、借入金の増加があっても、事業を継続はできます。
もう一つは、社会環境の変化で、業界が小さくなったり、ビジネス手法が無理になったりして継続ができそうもない事業。長期的にはひょっとしたら、回復するかもしれないが、短・中期(1年~3年)的にはまったく見込みがない事業も同じかも知れません。
この場合、それまでの事業の落ち着かせどころ(精算)をどうするかが課題ですし、新事業となれば、リスクも大きくなります。100%新しい事業を始めるのか、今あるリソースを活かすのかも、非常に悩ましいところです。
借金かリスクか、はたまたその両方か、おそらく両方になる会社が多くなると思います。それぞれに重い「戦後」が待っていそうです。