「ネット選挙 浸透せず」という記事が日本経済新聞に掲載されていました。2014年からインターネットで政策や主張を伝えられるように解禁されたのですが、結果は期待されたほどのものではなかったようです。原因として記事の見出しに書かれているように「選挙自体の関心低く」とあります。もちろん関心の低さが一番の要因ではありますが、情報発信の方法にも問題があるのではないでしょうか。
選挙のインターネット利用は、主にネットから情報を取る若い層に関心を持ってもらうことを目的として開始されました。情報を発信する政党や候補者は一日中PCやスマホを見ている若者がいるんだから、インターネットで情報発信すれば、反応があるだろうと見込んでいたはずです。
では、なぜ伝わらなかったのでしょうか。それはインターネットというメディアが、笑い、怒りのような強い感情に裏打ちされた情報は、伝播しやすいのですが「まともな情報」はそうやすやすと伝わったり、広がらないという特徴を持っているからです。そういった意味では、選挙違反や運動していく中で失敗したネタなどはすぐに全国区に伝播してしまいます。
また、インターネットは、本音のメディアです。遠慮がなく、品があるとも言えません。だから、いつもは見たこともない候補者が選挙前だけ「きれいごと」を語っても関心を示さないのは当然です。普段から、自分のオフィシャルサイトやブログ、SNSで一定のユーザーや読者に具体的に「私はこの件に関してはこう思う」と語りかけ、その反応に耳を傾けていればもう少しは何か起こったはずです。
どんな情報を発するかばかりでなく、誰がどんな情報を発するのかが大切です。その「誰が」が知らない人であれば、信じられないし、関心すら湧かないわけです。事前に情報を伝えられる繋がりができているかがポイントですね。このことは、選挙だけのことではありません。店舗や会社のネット戦略にもそのまま当てはまることです。