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日経記事「大阪府、転出超に」で思うこと

先日の日本経済新聞の関西面に「大阪府、転出超に」という記事が掲載されていました。転出先は、東京・首都圏です。すでに2大都市という言葉も虚ろに聞こえるほど、東京一極集中は進んでいます。この情報はおそらく住民票ベースでしょうから、住民票を移さず東京に単身赴任したり、定期的出張者まで入れると実質の東京との差はもっと大きいかも知れません。

インターネット化が叫ばれ出した90年代には、インターネットが発達して空間を越えて、仕事やコミュニケーションが出来るようになると、情報の交換や会議のためにみんなが都会に集まらなくてもよくなると言っていましたが、実際はその逆でした。

メールやテレビ会議を使って情報を簡単にやり取りできるようになると、地方に責任者を置かなくとも情報を把握できるようになりました。そうなると以前のように大阪に取締役などの責任者を置かずに、東京で経営判断だけしていればよくなります。東京本社の大手と取引する大阪の会社も決済が東京本社に通うするため、東京に営業拠点を置いたり、会社自体を東京に移転する必要がでてきたわけです。

記事の中で、転出の歯止めとして、関西の自治体が住宅を持ちやすくするなどの施策をとるというようなことが書いてありましたが、根本的な解決にはならないでしょう。家は建てやすくなっても仕事がなければ、その地域にいるわけにはいきません。ならば、工場などを誘致すればという話になります。もちろん、雇用は増えるので、ある程度の効果はあります。しかし、ちょっとした為替の変化で国外、国内に工場を移転してその度にリストラを繰り返すような大手企業も少なくなく、決定打にはなりません。結局は、決済、経営判断が出来る人たち、経営者層がその地域に留まる形、本社機能地域に残らなければだめなのです。

インターネット技術が進んで、遠方の情報が手に取るようにわかるようになり、テレビ会議などで打合せなどはできても、やはり厳しいネゴシエーションが実際に顔を付き合わせてないと難しいです。厳しいネゴの後、オフに一杯飲む「ノミニケーション」もインターネットでは無理ですから。
日経記事「大阪府、転出超に」

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