ある飲食店の経営者から、お客様がインターネット情報を見られて来店されるのは、有り難いのですが困ったこともあるんですよとおっしゃるんです。そのお店は長年お店を経営されており、特にネットで集客する必要がないので、自店のウェブサイト(ホームページ)やグルメポータルサイトへの掲載もされていませんでした。
でも、自分のお店をエゴサーチ(自分のことを検索)してみると、たくさんの情報、書き込みがあることに気づかれたそうです。グルメサイトやエリアポータルはもちろん、個人のブログなどいろんなところにお店のことが書かれていることを見つけられました。内容は、ポジティブなものからネガティブなものまで様ざまです。中には星マークいくつとか、ランキングとか評価もされていました。
このように自分のウェブサイトはなくても自分のお店の情報は勝手に一人歩きし、ネット上に掲載されています。この経営者がネットの書き込み情報が、厄介だなと感じられたのは、ネガティブな情報を書き込まれたからでなく、むしろその逆でした。このお店に来店されて気に入ったお客様が、書いたブログが不正確だったのです。もう今はないメニューを評価されて書かれていて、そのネット情報を見て来た別のお客様を落胆させてしまったということでした。せっかく、ネットで来客まで至ったのに実に残念な話です。
もちろん、自分で情報発信する手段があってもブログやグルメサイトの情報が訂正されるわけではありません。しかし、自分自身で公式な情報をネットに掲載しているか否かでは大きな違いがあります。
このケースでも、自店のウェブサイトに現在のメニューやサービスが掲載されていたらこんなことにはならなかったかも知れません。まずは、自分の会社、お店から情報発信する手段を持っておくこと、その上で、時々は一般のネットユーザーから自分の会社やお店がどう見られているかを確認して、可能な限り正確な情報提供が出来るように自分発の情報発信を心がけることが大切です。