それでも、大都市圏のターミナルには、百貨店(デパートメントストア)も生き残ってます。確かに百貨店は、スーパーやアウトレット店に押されており、百貨店業界全体の売り上げ高約7兆円は、グループ内に百貨店業態のない同じ小売事業のイオングループ約6兆円とそう変わらない水準にとどまっています。
しかし、百貨店に行ってモノを買うことには、特別のアドバンテージがあると思います。購入目的でない売場、商品であってもドキドキ、ワクワクする感覚があるとでもいうのでしょうか。ですから、そういう感覚が起こらない百貨店は、一般店と比較にさらされて、低迷し、うまく表現できている百貨店は、健闘しているのです。郊外から少しおしゃれをして行くターミナル型百貨店が好調で、地元型百貨店が良くないのも、ターミナル型が舞台装置としてうまくその場所の特性を活かしているからだと考えられます。
ただ、こういった百貨店に優位イメージを持っているのは、ある程度の年代以上です。大都市圏の郊外に住んで、おしゃれして、ギフトは百貨店の包装でというようなノスタルジックとも言えるイメージは、いつまでも続きません。若者も少なくなる現状では、想定ターゲットユーザーは、大挙して押し寄せる海外の人たちになっていくのではないでしょうか。