退職した社員のメールアドレスをそのまま残しておく経営者様はいらっしゃいませんか。会社のパソコンを使用しなくなった後でも、ユーザー名やパスワードが分かっていれば、退職後も会社宛のメールをチェックできてしまいます。退職した社員が会社の内部情報や顧客とのやり取りを閲覧し続ける可能性は大きな問題です。
では、退職直後にメールアドレスを削除すればどうでしょうか。そうすると、そのアドレス宛に来ていた顧客からのメールが届かなくなり、重要なビジネスチャンスを逃す恐れがあります。
業務に使用していたメールアドレスは会社の所有物です。従って、退職後のメールアドレスの取り扱いは、会社の運営に委ねられるべきです。しかし、ほとんどの場合、メールアドレスの@マークより前の部分は個人を特定できるものとなっており、それをそのまま継続して使用することに問題がないわけではありません。実際に、退職した社員から自身のメールアドレスの削除を要求するケースもあります。
したがって、社員が退職した際には、直ちにメールアドレスのパスワードを変更することが必要です。さらに、後任の担当者のメールアドレスへ転送設定を施し、メールシステムに自動転送機能があれば、送信者に対し、担当が退職した旨と、メールが後任のアドレスに転送されていることを通知する対応を行うべきです。
(2015年10月10日掲載分リライト)